ICTの取り組み

ICT測量の基礎知識:効率的な導入を目指して

ICT測量は、現代の測量技術において重要な役割を果たしています。しかし、測量器機の使い方や導入方法に関する知識が不足している場合、新入社員や導入を検討している方にとっては課題となるかもしれません。本記事では、ICT測量の基礎知識を分かりやすく解説します。

ICT測量の概要とメリット

ICT測量とは、情報通信技術を活用して測量データを収集、処理、管理する手法です。ICT測量の導入には多くのメリットがあります。例えば、高度なデータ処理やリアルタイムな情報共有が可能になり、作業効率の向上や誤差の軽減が期待できます。さらに、デジタル化によってデータの保存やバックアップが容易になり、プロジェクトの管理や報告もスムーズに行えるようになります。

ICT測量の主要な技術とツール

ICT測量にはさまざまな技術とツールが使用されます。代表的な技術としては、GPS(Global Positioning System)やGNSS(Global Navigation Satellite System)を活用した位置測定技術や、LiDAR(Light Detection and Ranging)による地形データの取得があります。また、ICT測量において重要な役割を果たす測量ソフトウェアやデータ管理ツールも紹介します。これらの技術やツールの理解は、正確な測量データの取得と効率的なデータ処理に欠かせません。


【GPS(Global Positioning System)】

GPSは、地球上の位置情報を衛星からの信号を利用して測定するシステムです。GPS衛星からの信号を受信し、その信号の到達時間や位置情報を基に、自身の位置を正確に特定することができます。GPSは、航空、海上、陸上などさまざまな分野で使用されており、位置測定やナビゲーションに欠かせない技術です。

【GNSS(Global Navigation Satellite System)を活用した位置測定技術】

GNSSは、GPSを含む複数の衛星システムを統合して位置測定を行う技術です。GPSだけでなく、ロシアのGLONASSや欧州のGalileoなど、異なる国や地域で展開されている衛星システムを活用します。GNSSを利用することで、より多くの衛星からの信号を受信することができ、より高い精度で位置を測定することが可能となります。

【LiDAR(Light Detection and Ranging)】

LiDARは、レーザーを使って地形や物体の距離や形状を測定する技術です。レーザー光を発射し、物体や地表面からの反射光を受信することで、距離や位置情報を計測します。LiDARは、航空機や車両などから送信されるレーザーを利用し、地形や建物の3Dモデルの作成、環境の監視、街灯や樹木の位置計測など、さまざまな応用がされています。その高い測定精度と広範な適用範囲から、LiDARは近年注目を浴びています。


ICT技術を活用した測量機器(弊社保有機器)

現地にてGNSSの受信状況や携帯電波、工事基準点の設置場所などの確認を行い、UAVやレーザースキャナー等の3次元計測システムを用いて点群データを収集し、3次元地形データを作成します。

最新のICT技術を活用することにより、従来の測量に比べ、高精度で効率的な測量が可能となり、安全性の向上にも繋がります。

※レーザースキャナーは、照射されるレーザー光線が対象物に当り、往復することにより距離や角度を割り出します。

【UAV(ドローン)による測量】

UAV(ドローン)を使用して上空からのレーザースキャン・撮影を行い、専用ソフトを用いて3Dデータを作成します。

衛星測位システムを使用することにより高い測定精度を得ることが可能になります。

【TLS(地上型レーザースキャナー)による測量】

レーザースキャナー

地表に近いところにTLS(レーザースキャナー)を設置し、放射状にレーザーを照射することにより地形測量を行い、専用ソフトを用いて3Dデータを作成します。


今回はICTを用いた測量の基礎知識を紹介いたしました。

次回はUAV測量の基本的な手順をご紹介いたします。

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